今回は、下関国際の坂原秀尚監督の
- かき氷エピソード
- 漁港でのバイトや引っ越しエピソード
- 文武両道エピソード
- 以前厳しいと批判された練習内容
などなど…について書きました。
坂原秀尚監督は有能！バイト(漁港)エピソードは？
坂原秀尚監督は、2005年に下関国際高校の監督に就任します。
就任前に部員の集団万引きが発覚し、山口大会の抽選会直前で出場停止処分になる程、荒れ放題だったそうです。
さらに、来た当時は、ユニフォームを着ずにピンポン球を打って遊んでる、部室の窓は割れたままで放置、壁は落書きだらけ、グランド整備や道具の扱いがかなり酷く、選手も「どうせ何をやってもダメ」と無気力状態で、野球が上手い下手のレベルではなかったそうで、マナーを教える所から始めたそうです。
そして、坂原秀尚監督が来た当初は、厳しい監督が来たとなって部員がみんな辞めて1人になるも、その後3人戻って来たそうですが、2008年夏は一時部員は5人まで減ったそうです。
その後、坂原秀尚監督が広島や北九州など中学を50校ほど回り選手の勧誘を行うも、親に断られ続けたそうです。
ただ、2008年の夏の大会で1勝を挙げたのを見てくれたので、2009年は新入生が14人入り部として続けられたそうです。
そんなチームに自信を持たせる為に、春先に県外チームと試合し、競ったり勝ったりして自信をつけたそうです。
東京や大阪などにも行くので、遠征費は毎月3000円部費を貰い、宿泊する場合は保護者に宿泊を負担して貰ってたそうです。
さらに、坂原秀尚監督がマイクロバスを運転し、坂原監督が年末に近くのマルハニチロさんで漁港で冷凍車から降ろすバイトをしてそのお金で飛行機に乗ったりしています。
そして、坂原秀尚監督は選手と向き合う上で絶対に妥協しない事は、その日の目標を達成するまで終わらない・次の日の練習まで持ち越さないようにする事だそうです。
それは、成長には成功体験が必要で、小さくてもいいので毎日達成感を得て欲しいと思ってるからだそうです。
そして、2009年の夏の県大会でベスト8に進出し、徐々に好循環が出来上がって来たそうです。
ちなみに、現在の下関国際 野球部は寮が設備されていますが、その前はチームの野球留学してる選手の為に、坂原秀尚監督は「彼らの人生を預かる立場なので」と下宿組を近所で見守る為に家族とともに4回引っ越しをされています。
坂原秀尚監督は有能！文武両道エピソードは？
さらに、「日刊ゲンダイ」の2017年8月12日の坂原秀尚監督のインタビューが当時は「厳しい」と批判されました。
文武両道について
僕ね、『文武両道』って言葉が大嫌いなんですよね。あり得ない
「(野球と勉学の両立は)無理です。『一流』というのは『一つの流れ』。例えば野球ひとつに集中してやるということ。文武両道って響きはいいですけど、絶対逃げてますからね。
――文武両道は二流だと？
「そういうことです。勉強しているときは『いや、僕野球やってますから』となるし、野球やっていたら『勉強が……』となる。“練習２時間で甲子園”って。２時間って試合時間より短い。長くやればいいってことではないけど、うちは１日１０００本バットを振っている。１００１本目で何か掴むかもしれない。なのに、時間で区切ってしまったら……。野球って自力のスポーツで、サッカーやバスケみたいな時間のスポーツじゃない。１００点取ろうが、３アウト取らないと終わらない。２時間練習して終わりじゃあ、掴めるわけがないんです。スポーツ庁が（部活動の休養日や時間の制度化を検討し）練習を何時間以内にしようと言っているでしょ？ あんなんやられたら、うちみたいな学校は、もう甲子園に出られない」
――選手に任せることはしない？
「自主性というのは指導者の逃げ。『やらされている選手がかわいそう』とか言われますけど、意味が分からない。
と言うコメントをされています。
とは言え、坂原秀尚監督は、授業中に居眠りしたり、課題を提出しないと言った行動をとった選手は練習には参加させないそうです。
学校で授業をキチンと受けるのは学生にとって「当たり前」の事で、「甲子園に行くと覚悟を決めて、野球を追求する。学校内での授業は他の生徒の模範となるように全力で受ける。ひとつひとつ目の前のやるべきことに取り組むこと。そうやってひとつの流れで物事に取り組み事が大切なんだよ」と選手にはよく言ってるそうです。
そして、同記事にて練習について
――朝５時から練習するそうですが、選手が自主的に？
「半強制です。自主的にやるまで待っていたら３年間終わっちゃう。練習が終わって学校を出るのは２１時くらい。本当に遅いときは２３時くらいまでやることもあります。毎日ではないけど、長期休みの時期とか。遠征に行っても、大広間で生徒はみんな同じ空間にいるけど、やっていることはバラバラ。練習でもそうです。今の子は連帯感が希薄なんですよね。少しでもそういうのを大事にしていかないと、うちのような弱いチームは他に勝てない。進学校さんはそういうやり方が嫌いだと思いますけど」
とコメントされています。
ただ、2021年秋の中国大会で広陵に敗れた後に、「何かを変えなければ」と言う思いがあり、午前5時の朝練を辞め、部員の睡眠時間に充て、夕食後に外部トレーナーを招きウエイトトレーニングを行い、古賀康誠選手と仲井慎選手は球速が10キロ以上上がり140キロ台を叩き出す様になったそうです。
坂原秀尚監督のかき氷エピソードは？
そして、同インタビューにて
（対戦する）三本松（香川）さんって進学校ですか？」
――どうでしょうか……県立ですよね。
「三本松さんの選手、甲子園（球場）でカキ氷食ってましたよ。うちは許さんぞと（笑い）。僕らは水です。炭酸もダメ。飲んでいいのは水、牛乳、果汁１００％ジュース、スポーツドリンクだけ。買い食いもダメ。携帯は入部するときに解約。３日で慣れますよ。公衆電話か手紙でいいんです」
――昭和の野球ですね。
「他校の監督さんは『楽しい野球』と言うけど、嘘ばっかり。楽しいわけがない。僕は現役のとき、日々の練習で野球が楽しいと思ったことはなかった。『楽しく』という餌をまかないと（選手が）来ないような学校はちょっと違う」
とコメントされています。
このインタビューにより、甲子園で三本松高校に敗戦し、「かき氷国際」と呼ばれてしまったそうです。
とは言え、2017年8月11日の三本木高校との大戦前の練習後に
１１日、練習を終えた下関国際ナインはグラウンド整備だけでなく、自発的にラインを引き直した。通常は球場関係者に任せることがほとんど。次に練習する高校への気遣いに関係者は感心することしきりだった。熱血指揮官の指導は確実に行き届いている。
と言うエピソードがありました。
さらに、2018年3月14日の「Sportiva」の記事にて
就任から現在までの各年代で起こったエピソードを歴代の選手名を交えて、数多く語ってくれたのだが、そのひとつひとつが実に淀みなく語られるのだ。年代を錯誤することや、ある選手の名前がとうとう思い出せない……といったことは一度もなかった。真剣に選手を思い、1年1年、心血を注いで指導に取り組んできた何よりの証(あかし)だろう。
と紹介されています。
と言う部分から、坂原秀尚監督は熱血で生徒思いで、理論的な指導を行われる監督な事が分かりますね。